Japanese reading practice

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おかあさんのかんざし

お母さんのかんざし

小川 未明

Read お母さんのかんざし (おかあさんのかんざし) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 2,577 characters · 6 screens

Aozora Bunko

と、男はいいました。

「おばあさんの形見ですから、まあ、持っていましょう。」

「なんなら、ここにある品と換えてくださらないですか。ここには、さんごもあります。べっこうのくしもあります。ほれ、こんなにいい根がけもあります。昔ふうのガラス珠のかんざしより、いくら、気がきいているかしれませんよ。」と、男はすすめました。

母親は、流行の品がほしかったけれど、がまんをしました。

「考えておきます。」と、答えました。

「また、こんどきますから、よく考えなさっておいてください。」と、行商人は、くれぐれもいって出てゆきました。

母は、めったに外へも出ず、家にいて、針仕事をしていました。少年は、そばで、本を読んだり、算術のけいこをしたりしました。母は仕事ができあがると、それを持って、町へゆきました。少年も後についていったのであります。あるとき、途中で、学校友だちのAくんのおばあさんに、出あいました。

「お母さんと、おつかいですか?」と、おばあさんは、少年を知っているので、にっこりと笑って、声をかけられました。少年も、母親も、おばあさんにあいさつをしました。

その翌日、少年が、Aくんの家に遊びにゆくと、おばあさんが、