Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ガラマサどん

ガラマサどん

佐々木 邦

Read ガラマサどん by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 99,079 characters · 202 screens

Aozora Bunko

度胸が据っているんでも何でもない」

「何うも大将は誇大妄想の気味が多少あるようだね」

「大いにあるよ。医者が我輩の盲腸を弄ったものだから、あんな大地震が揺ったんだなんて法螺を吹く」

「ハッハヽヽ」

「阿蘇の炎さ、日外の」

「ハッハヽヽ」

「しかし本心は善良な人間だよ。僕のお蔭で助かったことを認めている」

「お礼を言ったかい?」

「あゝいう負け惜みの強い人だから、無論それとは明言しない。『おい、君。これは君が地震で慌てたお礼だよ』と誤魔化して、金一封さ」

「幾らあったい?」

「大きいんだよ。建築費だもの」

「然う/\。君の家はその間に焼けてしまったんだね」

と私は松本さんがその折の焼け出されだったこと丈け聞いていた。

「その晩だったけれども」

「社長も確かに好いところがある」

「それは無論あるさ」

「悪いところもある」

「悪いといっても、性根は善人だよ」

「要するに我儘さ」

「頭の押え手がないから、勝手なことを吐かす」

「吐かすは厳しいね」

「ハッハヽヽ」

と松本さんはもう御機嫌が直っていた。社長に叱られると真赤になって憤慨するけれど、社長の恩顧を思い出すと直ぐに和ぐ。

「君」

「何だい?」