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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Read ガラマサどん by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 99,079 characters · 202 screens
「これは面白い御観察です」
「膝とも談合なんて、もっと下の方へ持って行っている」
「ハッハヽヽヽ」
「いや、何うも我輩は余談に入っていけない」
「思想豊富でいらっしゃるからです」
「閑話休題。その太田原の宗郷さんだが、褒められて増長したんだね。いつの間にか餓鬼大将になってしまった。尤も群鶏の一鶴さ。『何れを見ても山家育ち。繁華の地と違い』って次第で、侍の子は我輩一人だった。小さい刀を一本差していた。自然押しが利く」
「成程」
「しかしお師匠さんには敵わない。失業者にしては教育家だったよ。侍の子も町人の子供も差別しない。我輩がいたずらをすれば、胸の疎い百姓の子供と同じように罰する。机を捧げさせられたり、線香を持たされたり、態はない。これが癪に障った。此方は何処までも侍の子だという頭がある」
「御道理です」
「口惜しくて仕方がないけれど、お師匠さんは影を踏んでも罰を当てると聞かされている。怖くて手出しが出来ない。そこで考えたんだよ、長いこと」
「はゝあ」
「お師匠さんは勿体ないから、代りに奥さんに敵討をしてやろうと思いついた。奥さんは世話を焼く丈けで些っとも教えない。お師匠さんの奥さんだけれど、お師匠さんじゃないから大丈夫と考えた。