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ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
Read 中世の文学伝統 (ちゅうせいのぶんがくでんとう) by 風巻 景次郎 (かざまきけいじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 115,977 characters · 230 screens
早く本居宣長もいっているように、うたうときは音数は少しくらいちがっていても、節の上で加減するからよいのである。形の正整は眼で読むことの快感をもとめるために生れてくるのである。だから新しいものほど調ってくるのである。それに反歌といって、短歌か旋頭歌のついているものがある。反歌は一首の意味を簡約して最後に繰りかえすもので、たしかに漢詩からの影響である。そうしたものを『荀子』には反辞といっており、『楚辞』には乱といっているが、反歌は反辞をそのまま真似た名称であろう。長歌二百六十二首のうちで、反歌のないのが三十一首あるが、ない方が古体で、ある方が新しい。ない方はうたった歌だったかも知れぬ。反歌のある方は大方みな近江朝より後の作である。つまり日本の宮廷に漢詩の雅宴が催されるようになって後の作なのである。有名な柿本人麿だってその例に洩れない。彼の作は読む詩の初頭をかざる力作であったのである。
旋頭歌は577・577の形を持つ。『万葉集』には六十一首あって、これも古いものはうたったものであって、調子も字に書いた上では調っていない。巻十六に、
梯立の 熊来の海底に 新羅斧陥れ、ワシ