Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Read 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) by 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 122,039 characters · 248 screens
居間の壁に小さい温度調節器がついているので、その針を希望の温度のところに合せておけば、それで万事が片附く。室内の気温がその温度以下に下ると、寒暖計がはたらいて、電流が通じ、炉の火が自動的について、ぶうぶうと送風機が動き出す。少し冷え込んでくる夜明けなど、ふと眼をさますと、地下室で炉がぶうぶうと鳴り出すことがある。まことに勤勉なものだと、ちょっといたわるような気持になる。もっともいつか女房が、針金製のハンガーを、温度調節器にひっかけておいたら、ドアをしめた途端に、そのショックで針金が回路を短絡して、炉がぶうぶうと鳴り出したことがある。まだ夏のうちだったので、この熱風の御馳走には、一同大いに面喰らった。犯人がハンガーだと分るまでに、二、三十分もかかっただろう。その間中、家中で大騒ぎをしたわけである。
地下室の今一つの設備は、洗濯器である。洗濯器も、石鹸水のタンクだの、乾燥器だのと、附属品がそろってくると、かなり場所をとるので、やはり地下室においた方がよい。要するに地下室は広いほどよいので、たいていの家は、家全体の下が、一間の広い地下室になっている。工作の道具や簡単な設備も片隅にあり、子供たちのブランコもぶら下っているという塩梅である。