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にんぎょうのはなし
人形の話
折口 信夫
Read 人形の話 (にんぎょうのはなし) by 折口 信夫 (おりくちしのぶ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,238 characters · 9 screens
の訛りで、結局雛と同じになる。折口のいうことと同じだといわれた。
われわれはめおと雛を考えるが、雛はかならずしも二体なくてもよい。子供が雛の御殿を作って二体飾るから二体なくてはならぬと考えたのである。子供が家庭のなかで小さい家庭を作り、人形で小さい夫婦の生活をやってみる。そのために内裏雛ができたのである。奥州の「おしらさま」は、一体、二体、ときには三体のこともある。近代では主に蚕の守り神になっている。ということは、農村でいちばん大切な守り神ということになる。蚕を飼うほど、蚕の守り神の考えがおし及ぼしてきて、かきものを守り神とするようにさえなってきた。古ぼけるとまた新しく作るので、古い家になると二体も三体も祀っていることがある。
桑の木の二股の枝をとってこしらえる。だから先のほうを頭にして、頭だけの人形である。この「おしらさま」に毎年一枚ずつ着物を着せてやる。着物を着せるというのは、「おしらさま」がお雛さまだからだ。つまりもとの意味は、「おしらさま」がその家のけがれを背負っている、ということになる。だから古い「おしらさま」は、布の中に埋もれている。