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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Read 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 224,569 characters · 451 screens
まあまあお休みなさいまし」
云われてみればその通りである。そこで一同休むことになった。
やがて日が暮れ夜になった。
島津方からは攻めて来ない。しかし弥五郎油断しなかった。店へ出て乾児どもの指揮をした。昼間から店は閉じられていた。
ここは店先、牀几が置いてある。そこへ腰かけた弥五郎親分、
「野郎ども、みんなで幾人ばかりいる?」
「へい三百はおりましょう」一の乾児の隼太が云った。三十がらみの敏捷な男、弥五郎の左手に腰かけている。
「固めの方は大丈夫だろうな」
「へい大丈夫でございますよ。――ここを中心に東西南北、野郎どもを配って置きました。大須の方へは喜市を頭に、五十人ばかりの同勢を配り、門前町の方へは馬十を大将に、八十人ばかりの同勢を配り、ええとそれから岩井町の方へは、三次を頭に五十人だけ。ええとそれから日置神社の方へは、留吉を大将にこれも五十人。それからこの家を取り巻いて、やはり五十人だけ配って置きました。それから二十人をバラバラに分け、物見に出して置きました」
「うむそうか、そいつはよかった。どうだこの辺は騒がしいだろうな?」
「今にも戦いがはじまるというので、バタバタ店を閉じてしまう、女子供は外へ出ない、火が消えたように静かでございます」