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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Read 光り合ういのち (ひかりあういのち) by 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,439 characters · 263 screens
「苦しい程緊張してると思います。凡そ薄っぺらではありませんね」
と若い先生は少しせき込んで言った。「恋いる心がどんなに高調してるかが却って解りますね、僕は万葉にはこんなこころがあるから、比較的むき出しな官能表現があってもゆるされるのだと思います。でもそんなことは理窟です。どうも僕はこの歌はいいと思う」
「私も同感だ」
と商業学校の先生が言った。
「いい歌だな」
と皆言って、口ずさんだ。
次ぎは商業学校の先生の選歌であった。
「ほととぎす鳴きし即時きみが家へ行けと追いしは至りけんかも
血を吐くばかり君を思っている。と、ほととぎすが啼いた。さあ、すぐに恋人の家へ飛んで行って伝えてくれ。と言って追ったが、きっと行ったであろう。
どうも極端で、活きていると思います。
しかし秀歌が多くて一首だけ選ぶのは取捨に困りますな」
「鈴子書いて張り出しなさい」
鈴子は前のと二首書いて張り出した。きれいな手蹟なのには感心した。
「血を吐くという意味があるか、どうかは知らないがたしかに秀歌だ」
次は女学校の老先生がはにかみながら発表した。
「たく縄のながき命を欲しけくは絶えずて人を見まく欲りこそ