Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Read 光り合ういのち (ひかりあういのち) by 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,439 characters · 263 screens
この話は今日私の情熱となって燃えている日本主義として、東洋の精神をヨーロッパの文明が奪ってしまったということへの敵愾心となって生き返っているのである。
祖母は十六の歳尾道から庄原へ、十八里の道を馬に乗せられて嫁入りして来たのだとよく話した。
お姫さまが機を織っていると、あまのじゃくがそっと戸をあけてくれと言う。いやいやと言うと、指一本はいるだけと言う。それだけあけてやったら、がらりとあけて、お姫さまを連れて逃げてしまったという話。
港市、男女ノ市などという盲目の按摩がよく来て祖母をもみながらいつも世間話をしていた。私は寝床でその話をよく聞いたものだ。
思えばこれが私の世相への好奇と、恐れと、あわれみと、――観照のこころの芽ばえた種だったのだ。その四方山の話は人生のあらゆる面にひろがっていた。私は子供心に悲しみにつつまれて聞いた話など思い出す。自分は温い愛につつまれて暮らしていても、世の中にはそうした事がある……
秋も暮れ近く町を行く人の息が白いころ、朝極く早く祖母は私と店の格子のところに立って町を仔馬や親馬を沢山連れて馬喰らしい人たちが通るのを見たことがある。