Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

Read 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 103,941 characters · 210 screens

Aozora Bunko

拙者の相談しているのは、発明だ。拙者が、もう一本殖やすといっているのは血の通った腕ではないのだ。機械的な腕だ」

「機械的な腕?」

「そうさ。そんなことは、最初から分っとる話だ。生まな腕を手術で植えるのならあんたのところへは来ない。大学病院へいって相談しますよ。大学病院へいって……。拙者のいうのは、機械的な腕の話だ。今までにも、ちゃんとそういう機械的な腕なら、出来ているじゃないか。義足とか義手とかいっているあれだ」

「ああ、あれのことですか、義手ですね」

余は、ようやく、この客の真意を呑みこむことが出来た。

「しかし先生」

と、こんどはまた先生になって、

「厳密にいえば、いわゆる義手というのは、手が、一本無くなったとか二本無くなったとかいう場合に、代わりにつけるのが義手である。拙者の発明のは、そうじゃない。二本の腕は、ちゃんと満足に揃っているが、その上にもう一本、機械的な腕をつけて、都合三本の腕を人間に持たせようというのだ。これまでに、世界のどこに人間に三本の腕を持たせようと考えたものがいるか。そんな話を聞いたことがない。公知文献があるなら、ここへ出してごらんなさい。