Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens
どろを吐きな! どろを!」
「…………」
「音蔵の切り口もすぱりと一刀、今夜の火の見のあの御家人もすぱりと一刀、この仏壇の中のやつもすぱりとひと太刀、うしろと前と相違はあるが、三人ともみごとな袈裟がけの一刀切りだ。腕のたたねえものにできるわざじゃねえ。このお位牌もお武家筋、おまえの手の筋もお武家筋、――やまがら使いじつは武家の娘、ゆえあって世間を忍ぶかりの姿のお駒とにらんだが、違うかえ。むっつり右門は手さばきも味がこまけえが、眼のにらみも味が通ってこまけえつもりだ。これだけたたみ込んだら、もう文句はあるめえ。白状しな! 白状を!」
「…………」
「気のなげえやつだな。春さきゃ啖呵がじきに腐るんだ。かけてえ慈悲にも、じきに薹がたつんだ。世を忍ぶもこの位牌ゆえ、人を切ったもこの位牌ゆえ、――すなおに白状しろとお位牌がにらんでおるじゃねえか。手間をとらせたら、のこのこと動きだすぜ。どうだ、お駒ッ。また六十日ほども牢にへえりてえのか」
ぱたり、と折ったように首がさがって、がっくりと体がくずれると、しみじみとした声が、ついにお駒の口から放たれたのです。
「さすがでござんす……。