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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
善「感心な事だ、其の志が面白い、貸して遣りますが、些と方々のお得意やお屋敷を教えて置かなければいかんが、戸田様のお邸へ多助を遣ろうかのう番頭」
番「それが宜しゅうございます」
善「多助や」
多「へい」
善「其処に四俵大俵が有るだろう、それを向うの戸田能登守様のお屋敷へ持って往って呉んな、御通用門から這入って鎌田市作様のお宅へ届けるのだ、知れなければ御門で聞きな」
と請取書を持たせて遣りました。多助は路草を喰わず、ギシ/\担いでまいり、戸田様の御門にかゝりまして、
多「ヒエ、御免なせい」
門番「何だ/\」
多「炭屋善右衞門の所から参りやしたが、此のお屋敷の御家来に鎌の一昨日という人がありやすか」
門「なんだ、フヽヽ、鎌田市作様か」
多「そんだ、よく知ってる」
門「何だ、けしからん奴だ、それは御門を入って板塀に附いて真直に行くとお馬場の所に出るから、それへ附いて曲ると裏手に四軒お長家があるが、二軒目のお宅だ」
多「有難うがんす」
と又ギシ/\と担いで、教えられた通りまいりますと、鎌田市作という標札がありましたゆえ、
多「御免なさい」
妻「なんだのう」
多「炭屋善右衞門から炭を持ってめえりやした」