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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
十三
アねい、大く御奉公をしてある事があるが、それは最う十年も経ってから見せべい」
善「不思議な男だのう、なんと番頭感心なものじゃアないか」
和「驚きましたなア」
多「番頭さんも目前べいの勘定で心の勘定がねいから、何が幾許入るか知りやアしねい、店を預かる番頭さんだから確かりしなんしよ」
和「はい/\畏りました」
と云うので番頭も大きに気が注き、主人も感服致し、これから追々多助が他の人に真似の出来ぬ事をいたしますお話は、一息つきまして申上げます。
十三
鹽原多助は計らずも山口屋善右衞門に助けられ、此の家に奉公をいたして居りましたが、多助の行いの実明なのに、主人は素より奉公人一同が感心致しました。其の多助の気の利くことは、主人の用向ばかりでなく、番頭から小僧から、家へ出入る者一同から、おさんどんにまでも宜く勤めますが、決しておべっかでするのではなく、信実に致しますので、番頭が肩が張ったと云えば直ぐに後へ※(「廴+囘」、第4水準2-12-11)って打きます。エヘンと咳払いをすれば直ぐに灰吹を持って往く。風を引いたというと直ぐにお医者を呼んで来る。少し病気が重いと思うと直ぐに早桶を買って来る。