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しおばらたすけいちだいき

塩原多助一代記

三遊亭 円朝

Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens

Aozora Bunko

侍「そうか、大きに御苦労、幾俵持って来たえ」

多「四俵持ってめえりやした」

侍「そんなら二俵は此処に置いて、後の二俵は一軒隔いてお隣のお宅まで持って往ってくんな、未だお荷物も片付くまいが、手前方から左様申したと二俵持って往ってくれ」

多「へい、一軒隔いてお隣かね、ようがんすが、代を貰いていもんでがんす」

侍「後でやるよ」

多「でもマア斯うやって請取になって居りやんすから、そんなら二俵丈け戴いて置きましょう」

侍「あとで一緒に遣るよ」

多「それでも炭取ってしめえに代をよこさねえで、あとで炭取った覚えはねえと云われても、私は田舎者で仕様がねえ、主人が大事だから代をよこさねいじゃア困る、マアよこせ」

侍「よこせとは何だ、おかしな奴だ、そんなら持って往け」

と代を投げ出すを多助は受取り、懐へ入れ、

多「そんなら此の二俵一軒隔いてお隣へ持って往きますべい」

と其処へ担いでまいり、

多「御免なせい/\」

妻「どうれ、誰だ」

多「へい、私は炭屋の奉公人でがんすが、あの一軒隔いてお隣の鎌田市作様の処から炭二俵持って来やした」

妻「炭屋の男か、大きに御苦労だのう」

多「おら家の炭は宜い代物べい選んで安く売りやんすから、炭を買うなら得だから、おらア方でべいお買いなんしよ、他で買っては駄目でがんすよ」