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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
よう一つ御工夫なすって下さいやし、其の内二十両だけお借り申して家を買って始める積りでございます」
善「それは宜いが、二十両で家を買ってしまってはマア炭や何かを買出すにいけまいが、それは何うする積りだな」
多「買出さねえでも炭はハアえらく有りやす」
善「何処に有るんだ」
多「へい、私十年の間粉炭を拾い集め、明き俵へむやみに詰め込んで、拝借致しやした大い明き納屋へ沢山打積んで有りやすから、あれで大概宜かんべいと思って居りやす」
善「拾い集めた炭じゃア仕方があるまい、粉計りだろう」
多「へい、粉炭でがんす」
善「其様な物を買人があるか」
多「有りやんすとも、貧乏人には一俵買は不自由な訳で、中々一俵は買えねえもんでがんすから、冬季などは困って睾丸火鉢の中へ消炭などを入れ、ブウ/\と吹いて震えながら一夜明かすものが多い世の中で、裏店や何かで難儀して居て一俵買が出来ねえで困って居るものが有りやんすから、其様な人に味噌漉に一杯、高いか知りやせんが、七文か九文に売りやんせば大く益になり、買う人も寒さを凌げるから助かりやすゆえ、是を始めたら屹度繁昌しべいと思いやす」