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しおばらたすけいちだいき

塩原多助一代記

三遊亭 円朝

Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens

Aozora Bunko

て誠に嬉しい事で」

多「私も嬉しゅうござえます、就きまして国へ帰ろうと思って居りましたが、山口屋に預けた金が三百両ばかりで、国に帰って家を立てべいとは存じましたが、江戸で稼いでもう七八百両貯めてから帰るべいと思いやして、店出しをしやした所が、有難え事に繁昌します、私もまだ三十一だから今十年も稼げば国の家も大く立てられ、親類の家も立てべいと思って居りやした所が、女房を世話をする人があって、主人も得心でごぜえますが、持っても宜しいか宜しくねえか伺えに参りやした」

角「誠に手前が堅くして居る所からそう云う訳になるので、誠に恐悦の事だ、何ういう者の娘じゃ、山口屋善右衞門が得心で持たせるという女房なら宜しい、それは結構だ」

清「最うこんなに立派に成って来ましても、矢張少さい心持で居りますが、女房を持つようになって誠に結構だねえ、先方は何う云うもので、女房の身分は」

多「身分はこれ/\」

と前申上げました藤野屋の事から、明樽買の娘にして貰う事を細かに申すを聞いて、角右衞門は学問のある人だけに暫く考えて、

角「多助、誠に得難い幸いだ、貰え/\、向うも藤野屋杢左衞門の娘、仮令樽屋からよこしても、婚礼の時は世間へ対して振袖ぐらいは着せてよこすだろうな」