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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
ような訳で、ハア大きに日数もかゝったから案じていべえと思っていたが、手紙も出さねえでハアどうも」
妻「そうでがんすか、多助も父様が帰らねえって心配して、五八も案じているし、村でも心配して、見舞に来やすから、何も追剥に逢う筈はねえが、久しぶりで往ったんだから、木崎の親類で留められて居るんだんべーって云って居やんした、五八、われえ其所を片付けて盥をあげろ、戸口に立って居りやんすのは誰だ」
と見ますと、年齢は廿四五で器量はよし愛敬のある婦人でございますから、
妻「あんた此処えお掛けなせえ、お連れじゃありませんかえ」
角「あゝ、これは己が伊勢崎で合宿になったおかみさんよ」
妻「はアイー」
かめ「誠に不思議な御縁で、此の度は此方の旦那様に助けられまして、行き所もない身の上で、可愛そうだと仰しゃってお連れ下さいましたものでございます、どうか行末長くお目を掛けられまして下さいまし」
女房はハイと云ったが、見馴ぬ女、殊に姿といい言葉遣いといい、近所の者でないから、
妻「旦那さん何処から此の方を連れて来やんした」
角「おれが保泉村を通りかけて、此の内儀さんの難儀を助けてから、余儀なく此の内儀さんの事にかゝって、泊って居る