Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Read 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 195,601 characters · 387 screens

Aozora Bunko

初めはこう思っていました――これは自分のところへ来るつもりの盗賊が、間違って隣りへ来て僧侶を驚かしたものらしいと。

ところが問答を聞いていると、盗賊は別にこの僧侶に望みをかけて来たものらしいのであります。

事起らばと、竜之助は枕許の刀を取って待っていたが、何事も起らずに、盗賊共は帰ってしまって、僧侶があとで人を呼んで騒ぎでもするかと思えば、そんな様子は更にありませんでした。

こんなふうにして、駿河の府中から出た竜之助とお絹の駕籠、それをまた後になり先になって跟けて行くがんりきと七兵衛。

本道を行かずに久能山へ廻って、一の鳥居に近いところで駕籠を卸すのを見定めた七兵衛が、がんりきへ耳打ちをしました。

久能山の鳥居の前で、

「もしもし、そこへおいでになる奥様」

がんりきが呼びかけたので振向いたお絹、

「どなた」

「へえ、お初にお目にかかります、私でございます、あなた様のよく御存じの七兵衛の友達でございます」

がんりきが小腰をかがめて笠の紐を解く。

「七兵衛のお友達? そうしてわたしに何か御用が……」

「へえ、別に用もございませんが、少しばかりお話し申し上げたいことがありまして」