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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Read 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 242,044 characters · 477 screens

Aozora Bunko

弥三次が詰め寄ると、後ろで仏頂寺をはじめ他の三人がニタリと笑っている。

そこで、竜之助は黙っていました。このやつらは、いいがかりを考えて来たな、自分たちで企んだことを、こちらへ向けて先手にやって来たな。よしその分ならばと思ったのでしょう。

「いかにも女を一人つれて参ったに違いないが――」

「穏かにその女をお渡しなさい」

「渡すべきいわれのない者には渡せない、貴殿らにその女を受取るべき縁故があるなら聞きたい」

「我々はその――女にとっては親戚のものでござる、つまり、親戚のものから頼まれて、あとを追いかけまいったものでござる」

「しからば、その受取りたいという女の身元は?」

「宿の女じゃ、貴殿がかどわかして、駕籠に乗せてまいったあの女」

「して、その女の名は何といって、年は幾つぐらい」

「くどい――」

高部弥三次が一喝しました。少々離れてあとからついて来た仏頂寺はじめ三人のものは、高部の一喝をおかしいものとして、あぶなく吹き出すところでしたが、やっと我慢していると、大まじめな高部は、

「盗人猛々しいとは貴殿のことだ、人の大事の娘をかどわかしておきながら、年はどうの、名は何のと……人を食った挨拶」