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ようかいはかせ
妖怪博士/青銅の魔人
江戸川 乱歩
Read 妖怪博士/青銅の魔人 (ようかいはかせ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 212,920 characters · 421 screens
「チンピラ探偵さん、びっくりしてるね。オイ、ここをどこだと思う。ここはね、地の底の青銅魔人国だぜ。かくいうおいらは、魔人さまの秘書官と通訳とボーイをつとめているたったひとりの人間。この国には肉でできた人間は、おれのほかにはいないのさ。」
「それじゃあ、青銅の魔人はひとりではなかったんだね。」
小林君はそういおうと思って、口を動かしたのですが、ふしぎなことに、その声は、まるで歯車のきしむような、キイキイというしわがれ声になって、自分でも聞きとれないほどです。アア、小林君は声までも青銅人種にされてしまったのでしょうか。
「ウン、そのとおりだよ。煙突から落ちて、こわれたやつは、ただの人形さ。ほんものの魔人さまは、ちゃんとこの地の底に、ごぶじでおいでなさるのだよ。」
小林君の歯車のきしるような声が、この道化ものにはよく聞きわけられるらしいのです。通訳というのはそのことなのでしょう。
「じゃあ、ぼくをなぜこんな姿にしたんだい? きみはそのわけを知っているんだろう。」
小林君が、やっぱりキイキイいう声でたずねますと、道化ものはまっかな口をニヤリとさせて、
「それは、きみが魔人さまを煙突の上に追いつめたばつさ。