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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
Read 忘れ残りの記 (わすれのこりのき) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 193,050 characters · 383 screens
昭和二十一年
昭和二十二年
昭和二十三年
昭和二十四年
昭和二十五年
終戦。妻文子病む。久しく不起。
昭和二十一年(1946) 五十四歳
ペンを持つことなし。戦後三年は、畑作りと「秋萩帖」の手習いなどに日を送らむことを病妻と誓い合えればなり。折々、食糧探しの都会の友、古美術の友など会せば倦むこともなし。都心、なお焦土なれば、外地の引揚者旅泊の縁なき知人など尋ね来、山村の旧屋は旅館のようだと日々笑う。漸く病の癒えたる山妻は、戦前にも増して近村へ食糧あつめに自転車でかけ廻るを日課とす。
昭和二十二年(1947) 五十五歳
菊池寛氏の依頼にて、初めてこの年、新生社の「東京」へ短篇「人間山水図巻」を書く。続いて五月より同誌へ「色は匂へど」を連載。まもなく同誌廃刊。
昭和二十三年(1948) 五十六歳
九月より読売新聞に連載「高山右近」を書く。
昭和二十四年(1949) 五十七歳
上智大学講堂にて「文芸と宗教」の題下で講演する。三月、読売の「高山右近」、前篇にて一応筆を擱く。
四月、病後の妻を伴い、吉野山の花を見、大和地方に遊ぶ。春、「続新書太閤記」の一部を書き卸し、中京新聞ほか地方社七紙に載す。
昭和二十五年(1950) 五十八歳
「平の将門」