Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Read 新・水滸伝 (しん・すいこでん) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 684,899 characters · 1374 screens

Aozora Bunko

「どうか、おみやげにお持ち帰りを」

と、あくまで心入れな張順のはからいだった。

これですぐ立てばよかったが、折ふし水亭の別座敷で琵琶の音がした。訊いてみると、客の求めに応じてあるく琵琶芸人ということであり、宋江はふと、かつての一夜、穆家の宴で聞いた「潯陽江頭……」の忘れがたい一曲など思い出して、ついそれを呼ばせてみた。

ところが、それは見るからに哀れな親子の舟芸人で、歌曲も四絃も、穆家の乙女の比ではない。――しかし素姓をきいてみると、京師生れで、苗字も同姓の「宋」といい、娘の名は玉蓮というとのこと。宋江には、そぞろ哀ればかり催されて、酒さえ苦くなってきたので、

「もう、いいよ。ありがとう。もうよろしい。……さあ、娘さんに、何ぞそこらの物を喰べさせておやり」

と、なにがしかの鳥目をやって、逆に慰めてやるような始末だった。

けれど李逵にはそんな斟酌もない。娘に酌させて、悪ふざけをしているうちに、何が気に入らなかったのか、娘をキャッと昏倒させてしまった。娘のひたいに小さな血が滲み、耳環も簪も飛び乱れていた。

「これっ、何ということをするのだ」

それを機に、張順と戴宗は彼を外へ連れ出し、宋江はあとに残って、娘の親へ、