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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Read 新書太閤記 (しんしょたいこうき) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 187,757 characters · 375 screens

Aozora Bunko

「助作はこの辺の生れとも聞かぬが、どうして杣道まで詳しく存じておるか」

「去年の暮、この辺を御巡視の砌り、お供の余暇を窺って、独り彼方此方、歩きましたから」

「ふム。何を思うて?」

「二度まで殿がお歩きある以上、後日、必ずこの地こそ、柴田勢との決戦場たる地に相違なし――と思い定めましたゆえ」

「そうか」

頷いたのみだったが、秀吉の眼は、うい奴――と愛でているようだった。

たえず彼の側にある小姓組のうちでは、脇坂甚内安治の三十歳が年頭で、次が助作の二十八歳であった。

ついでに、他の面々を見ると、平野権平と大谷平馬吉継とが、同い年の二十五歳。

福島市松が、二十四。

加藤虎之助が、二十二。

加藤孫太郎嘉明、二十一という順になる。

このほか、秀吉の側にはいないが、今度の戦陣に参加している若桜には、一柳四郎右衛門十八歳、黒田吉兵衛長政の十六歳、菅六之丞の十七歳、羽柴秀勝の十六歳などがあり、恐らく、最年少と思われる者に、丹羽長秀の子、丹羽鍋丸の十二歳などかある。

これらは皆、武将の子、名門の子弟だが、槍、荷駄、その他の組にも、年まだ十五、六の紅顔の兵は沢山いた。そのすべてが皆、実戦への参加をわが子にせがまれ、或いは、父が望んで、相携えてきたものだった。