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かくだいされゆくこくどうぜんせん
日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
広海 大治
Read 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) (かくだいされゆくこくどうぜんせん) by 広海 大治 (ひろうみだいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,128 characters · 10 screens
サガレンの浮浪者
ただようてくる温ったかい三平汁の香
堪え兼ねて牧草の束に顔を埋める
しのびよる背筋の冷さ
浅い眠りの夢は破れる
ああ! 一杯の飯を食いたい
赤い毛布を巻きつけた むくんだ足
寒気は骨の中まで突き通す
伸び放題の鼻ひげに
呼吸は霜をたくわえ
鼻孔はきんきんとひからびる
破目板の隙間から躍り込む風
小屋に舞う雪神楽
やがて粉雪はうず高く層を重ねる
辛うじて乾草の小屋に宿り
打ち震え闇の中に聞く
猛けるサガレンの夜の吹雪
凍れる大地の呻きを聞き
凍傷の指先にガンジキの紐結び
北極星の白い光を仰ぎ見た幾夜か
たった一尾の干鱈を盗む為に
野良犬のように漁場の闇に足音忍んだ
沢の百姓のささくれた手から馬鈴薯貰い
露命支えた幾日であったか
とど えぞの生え繁る山々
深い熊笹の峯々
背丈より高い蕗の密生する沢の湿地で
****た棒頭の**が嚇し続ける
豊真鉄道工事場で精根枯らして働き倒れる章魚人夫
朝霧が山襞に立ちこめる頃
露に光る虎杖の群落踏み折り現場へ送られ
鶴嘴とスコップと畚と
口汚ねえ棒頭の罵声と
びんたと棒に追い捲くられ
星屑戴いて飯場へ戻る裸体の章魚人夫
片言の日本語 一言云うた