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かくだいされゆくこくどうぜんせん
日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
広海 大治
Read 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) (かくだいされゆくこくどうぜんせん) by 広海 大治 (ひろうみだいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,128 characters · 10 screens
章魚人夫
北方の海には氷が張りつめた
食物がなくなった章魚は
おのれの足を食いつくした
春四月
まだ雪は南樺太の野を埋めている
人夫は前借金二十五円にしばられて
鉄道工事現場へ追い込まれた
へばりついた大雪の残りが消えた
ドロ柳があおい芽をふいた
流氷が去った海岸に鰊が群来た
けれど オホーツク嵐は氷の肌の様に寒いや
伐材だ
切取りだ 低地へは土を盛れ
岩石はハッパで砕け
さあ、ツルだスコップだ トロッコだ
ああ此の一夏中 人夫の労働は待ち構えてる
朝は四時から 晩は八時
十六時間の土掘りだ
樺太の夏の日は長過ぎる
カカアとガキの白い唇を思い出さん様に
くたくたになるまで働けか
「逃げるやつはこれだぞ」
棒頭が鉄砲向けやがった
人夫は皆疲れている
俺もお前も
この炎天の下にクタバランが不思議だ
人夫は逃げた
逃げた奴は巡査に捕えられ現場に連れもどされた
ああ昨夜一晩中
奴は水浸にされてうなっていた
多分今朝はどっかの沼へ放り込まれただべ
それが人夫への見せしめだ
人夫は死んだ
ゴウゴウうなって走って来る
建設列車に頭蓋骨を粉砕されて
列車の窓から酔っぱらった警察署長と鉄道会社の重役が顔を出して怒鳴った
今日上げた