Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

あねがわのかっせん

日本合戦譚

菊池 寛

Read 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) by 菊池 寛 (きくちかん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 154,771 characters · 313 screens

Aozora Bunko

豊後府内に居る幕府の目付が救援を許さないので、次第に騒動が大きくなるのを眺めているだけだった。

島原城から繰出した討手の軍勢も散々に反撃を受けて、早々に退き籠城しなければならなかった。宗徒勢は城下の民家社寺を焼き払って陣を布いた。此頃になると宗徒勢も大軍をなす程であるから、誰か総大将を立てようとの論議が出て来た。さらば稀代の俊英天草四郎時貞こそ然るべしと云うので、大矢野宮津の道場に急使をたてた。四郎は直ちに諾して、「我を大将と仰ぐからには、如何なる下知にも随うべし。陣立を整う故に早々各地の人数を知らしむべし」と命令した。道場の周囲には既に七百の武装民が集って居た。間もなく四郎は警固の者四五十人と共に、島原の大江村に渡った。首謀者達は此処で相談した結果、先ず長崎附近へ人数一万二千余を二つに分けて遣わし、日見峠、茂木峠に布陣して長崎を見下し、使をやって若し宗門に降らざる時は、一度に押し降って襲撃放火し、その後、勢いに乗じて島原城を乗取るべしと定めた。要地長崎を窺う軍略は一時の暴徒の考え得る処ではない。将に、出動しようとして居る処へ天草の上津浦から使が来た。