Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

あねがわのかっせん

日本合戦譚

菊池 寛

Read 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) by 菊池 寛 (きくちかん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 154,771 characters · 313 screens

Aozora Bunko

山崎合戦

明智光秀は、信長の将校中、第一のインテリだった。学問もあり、武道も心得ている。戦術も上手だし、築城術にも通じている。そして、武将としての品位と体面とを保つ事を心がけている。

それだけに、勿体ぶったもっともらしい顔をして居り、偽善家らしくも見えたのであろう。リアリストで、率直を愛する信長は光秀がすまし過ぎているので、「おい! すますない!」と云って時々は肩の一つもつつきたくなるような男であったのであろう。

神経質で陰気で、条理も心得て居り、信長のやり方を腹の中では、充分批判しながら、しかしすまして、勿体ぶった顔をしている光秀は、信長には何となく、気になる、虫の好かない所があったのだろう。

と、云ってガッチリしているのだから、役には立つし、軍役や雑役に使ってソツがないので、だんだん重用しながらも、信長としては、ときどきそのアラを探して、やっつけて見たくなるような男であったに違いない。

信長は、人を褒賞したり抜擢したりする点で、決して物吝しみする男ではないが、しかしそのあまりに率直な自信のある行動が自分の知らぬ裡に、人の恨みを買うように出来ている。浅井長政なと、可なり優遇して娘婿にしたのにも拘わらず、朝倉征伐に行ったときその背後で背かれた。