Japanese reading practice

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Read 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) by 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 158,045 characters · 322 screens

Aozora Bunko

まで歩いて、本箱の虫になって、家から迎えがくるか、おもよどんかお金ちゃんに送りながらわびてもらって、暗くなってから家へかえる習慣になっていたから、明治座が出来たから急に芝居の前にたつわけではなかったが、みんなとは違った意味で、自分の欲をたんのうさせてもらった。

もともと家では、長唄が一日、二絃琴が一日と隔日にというのを、盲目の勝梅さんの方はトットとすませて二絃琴に通うのだった。しまいには、勝梅さんは三日おき四日おきにしかいかなくなった。月謝が早く手にはいらないと、勝梅さん一家は当惑してしまう(妹と二人分だから)。そういっては悪いと思っても、貧にはかてずお婆さんかお君ちゃんがとりにくる――あたしの母はいくらその困ることをあたしに言いきかせてても、月謝を届けるのがおくれるので、それからは毎日けいしをあけて唄本の間を調べる。毎日そのままだ。もう二絃琴はさげてしまうと怒った。ほんとにさげられてしまった。

けれど、あたしは平気で、無代で稽古しに出かけてゆく。それがあたしの権利のように――おしょさんはなんとも言わなかったが母の方が困った。あたしは稽古そっちのけで芝居の研究をする――