Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Read 浮雲 (うきぐも) by 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 112,980 characters · 222 screens
「何をそんなに塞いでお出でなさるの」
「何も塞いじゃいません」
「そう、私はまたお留さん(大方老母が文三の嫁に欲しいと云ッた娘の名で)とかの事を懐出して、それで塞いでお出でなさるのかと思ッたら、オホホホ」
文三は愕然としてお勢の貌を暫らく凝視めて、ホッと溜息を吐いた。
「オホホホ溜息をして。やっぱり当ッたんでしょう、ネそうでしょう、オホホホ。当ッたもんだから黙ッてしまッて」
「そんな気楽じゃ有りません。今日母の所から郵便が来たから読で見れば、私のこういう身に成ッたを心配して、この頃じゃ茶断して願掛けしているそうだシ……」
「茶断して、慈母さんが、オホホホ。慈母さんもまだ旧弊だ事ネー」
文三はジロリとお勢を尻眼に懸けて、恨めしそうに、
「貴嬢にゃ可笑しいか知らんが私にゃさっぱり可笑しく無い。薄命とは云いながら私の身が定らんばかりで、老耋ッた母にまで心配掛けるかと思えば、随分……耐らない。それに慈母さんも……」
「また何とか云いましたか」
「イヤ何とも仰しゃりはしないが、アレ以来始終気不味い顔ばかりしていて打解けては下さらんシ……それに……それに……」
「貴嬢も」ト口頭まで出たが、どうも鉄面皮しく嫉妬も言いかねて思い返してしまい、