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うんのじゅうざはいせんにっき
海野十三敗戦日記
海野 十三
Read 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 83,094 characters · 167 screens
十月二十八日
◯光文社の創刊する「光」に、わが文「原子爆弾と地球防衛」出る。
◯過日より清水市の安達嘉一君、鴨の綿貫英助先生、福島県の河野広輝君、長野県の小栗虫太郎(おぐりむしたろう)(※小説家)君来宅。昨夜は清宮博君も来宅、麻雀をす。近頃旧友の来宅ひんぴんたるは、戦争終了の事態をはっきり反映し、うれしともうれし。
十月二十九日
◯イーデン前イギリス外相は二十六日、リーズ大学で次の如く演説した。
「世界は疑いなく非常に危険の只中にあり。原子爆弾の警告があるにもかかわらず、すべての国民はいがみ合っている。第三次世界大戦は、人類の滅亡を意味するであろう」
十一月十四日
◯朝来より血痰ありしが、夜に入りて少々念入りに赤き血を吐く。
十一月十八日
◯徹郎君より長文の手紙来る。目下の心境を綴りて悲憤す。同情にたえず。
◯起きる。喀血はようやくおさまりたるもののごとし。
◯庭に月光白し。
もう空襲もなく、静かなり。終戦するなどとは、あの頃全く思わざりしが……。
◯臥床中読みたるもの、左の如し
一、子規著「仰臥漫録」その他
二、寺田(寅彦)先生「地球物理学」
三、Minute Mysteries