Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Read 花と龍 (はなとりゅう) by 火野 葦平 (ひのあしへい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 410,131 characters · 824 screens

Aozora Bunko

「そうよ、おナツさん。大変よ。喧嘩の仲直りが、家であるの」

「誰と誰との喧嘩?」

「玉井金五郎親分と、江崎満吉親分。仲裁役は、友田喜造親分。うちのお父さんが、玉井親分と兄弟分だから、あたしとこに、申し入れがあったの。それはええけど、今夜は、若松中の親分がたが、ほとんど揃うらしいわ。吉田の大親分さんも来られるということだし、山下剛一親分、長井久吉親分、花田準造親分、それに、ドテラ婆さん、……それから、玉井さんの方は、大庭春吉親分、田中光徳親分、三崎国造親分、……」

「わあ、親分の展覧会やなあ。そら、今夜、「飛鳥」は大事たい。ばって、そげん、敵味方の親分衆が集まって、なんごとも無う、すむじゃろか?」

「それは、すむわよ。もともとが、仲直りやもの」

「染奴さん、なんか知らんばってん、嬉しそうやな? 逢いたい人があるとじゃろ?」

「当った」と、露骨に、にやにやして、「あたし、このごろ、玉井金五郎親分に、首ったけなのよ。あんな人となら、どんな苦労してもええわ」

お京はそれを聞いて、金比羅山でのことを思いだした。ドテラ婆さんが、お京と染奴とに、両腕でもたれながら、「惚れるなら、玉井金五郎のような男に惚れるがええ。