Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Read あさひの鎧 (あさひのよろい) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 239,520 characters · 475 screens
どこからか梟の声などが聞こえた。
柴垣の根もとにかがみこんで、様子をうかがっていた二人の者は、やがてそこからそっと離れた。
そうして山道を街道の方へ歩いた。
「お前にとっては弟の敵さ」
と、そそのかすように大弥太は云った。
「宮様御内人の何者かに、たしかに右源次は殺されたのだからのう」
「云ってくれるな」
と、咽ぶような声で、左源太は云って鼻をつまらせた。
「可哀そうな弟! ……殺されたとは!」
左源太は玉置の荘司のもとへ、弟の右源次に進められて、大塔宮様を討ち奉るについての、談合に出かけて行ったのであった。
そうして今日帰路についた。
と、道で大弥太に逢った。
その大弥太が云うのであった。
昨夜弟の右源次が、大塔宮様の御内人に、館において突き殺され、宮様一行はその夜発足、今日この地へ遁がれて来たので、わしはその後を追って来たと。――
(弟右源次が殺された! おのれやれ敵を討たいで置こうか!)
こう思って左源太は大弥太と一緒に、宮家ご一行の後を追い、この小屋まで来たのであった。
「定遍殿より附けられた勢が、三十人あまり街道脇に、わしの合図を待っておる。……宮様いかにご勇猛でも、同勢わずか十人じゃ、御首級いただくにわけはない」