Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Read おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 194,415 characters · 391 screens
井上君は、サーッと、からだじゅうから、血がひいていくような恐怖を感じました。
そのときです。大木のみきのうしろから、なにか黒いものが、チラッとあらわれました。
ひらべったい、かさのようなものです。ピカッと光りました。電気のように、つよい光です。やがて、その光が二つになりました。
あっ、目です。怪物の目です。
その上にかぶさっている、かさのようなものは、巨大な、カニのこうらです。目の下に口があります。口からはブツブツと、白いあわをふきだしています。
カニのこうらの上には、アンテナのような二本の触手、口のよこからは、するどいはさみのついた二本の腕、それから、カニのはらのように、気味のわるい胴体、二本のまがりくねった足。
ああ、カニ怪人です。カニ怪人が、井上君の目のまえに、姿をあらわしたのです。
「しんぱいしなくてもよろしい。きみを、とってくうわけじゃない。」
口のあわの中から、カニ怪人のことばが、もれてきました。
銚子の近くの海からあらわれたときには、まだ、かたことにしかいえなかったのに、あれから、十日もたたないうちに、こんなにうまく、日本語がしゃべれるようになったのでしょうか。