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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Read おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 194,415 characters · 391 screens
犬のかい主は、ずいぶん、さがしまわったのですが、どうしても見つけることが、できませんでした。
井上、野呂の二少年が、野天ぶろの帰りに見た、あの奇怪な事件は、けっして夢でもまぼろしでもなかったのです。巨人の腕は、ほんとうに、森の中へおりてきて、白犬をつかみあげていったのです。
でも、犬だったから、まだしあわせでした。もし、あのとき、井上君か、ノロちゃんか、どちらかがつかみあげられたら、どうだったでしょう。ふたりとも、それを考えると、ゾーッと、背中が寒くなるのでした。
巨人の腕は、動物や、畑のものをつかんでいくばかりで、人間はまだひとりも、やられていません。村の人たちは、いくら魔ものでも、人間には、おそれをなしているのだろうと、うわさをしていました。
ところが、白犬の事件から二日めの朝になって、巨人は、けっして、人間にえんりょなんかしていないことが、わかったのです。とうとう、人間がやられたのです。
矢倉温泉の近くに住んでいる、佐多という農家に、十二歳になる幸太郎という男の子がありました。その幸ちゃんが、きのうから、ゆくえ不明になっていました。
幸ちゃんは、わんぱくもので、一日じゅう外で遊んでいる子でしたから、夜になるまでは、おとうさんも、おかあさんも、心配しませんでしたが、暗くなって、だんだん夜がふけても帰っ