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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Read おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 194,415 characters · 391 screens
そして上からひもを引っぱって、白犬をつりあげて見せたのです。だから、井上君にもノロちゃんにも、巨人の腕は見えなかったはずです。気のせいで、なんだか黒い腕のようなものが見えたと思ったばかりですよ。ふたりとも巨人の腕の話をうんと聞かされていたので、うまくごまかされたのです。わるものは、ぼくたちに、あの白犬のつかまれているところを見せれば、こわくなって、早く東京へ帰るだろうと、思ったのでしょう。」
「ふうん、じつによく、すじみちがたっている。明智先生は、いい弟子を持たれたなあ。東京には、こんなかしこい子どもがいるかと思うと、いなか署長は顔まけじゃ。ウフフフ……。」
波野さんは、つくづく感じいったという顔つきで、また小林君をほめあげましたが、ことばをつづけて、
「ところで、そうなると、わしとしては、犯人をつかまえなければならん。小林君、きみは犯人を知っとるのかね。すくなくとも、幸ぼうは、犯人にたのまれて、ああいうことをやったのだから、犯人の顔を見ているはずじゃが……。」
これにも小林君は、すぐこたえました。
「犯人は変装していたと思います。ですから、幸ちゃんにもわからないのです。