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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Read おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 194,415 characters · 391 screens
わたしは、たしかに手首だけが宙を飛ぶのを見ました。また、足跡だけが、つぎつぎと地面にしるされていくのを見ました。」
松波博士は、深くうなずきながら、きっぱりといいきるのでした。
「小林君、このなぞをとかなければならない。きみには、これがとけるかね。」
この質問には、さすがの小林君も、答えることができません。松波博士という、りっぱな証人があるのです。まさか博士がうそをいうはずはありません。小林君は、答えにつまって、だまっていました。
だれも、ものを言う人はありません。地下室はしいんと、しずまりかえってしまいました。
そのとき、階段の上にいた刑事のひとりが、かけおりてきて、恩田さんのそばに寄ると、なにかささやきました。
「あ、そうですか。じゃあ、すぐにここへご案内してください。」
恩田さんが、うれしそうに言いました。だれか来たのです。いったい、だれが来たのでしょう。
刑事がもどっていくと、やがて、階段をおりる足音が聞こえ、ふたりの人物があらわれました。
「あっ、明智先生。」
「おお、明智さん。」
章太郎君と松波博士が、一度に声をかけました。それは明智探偵と、警視庁の中村警部だったのです。