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さまようまちのさまよういえのさまようひとびと
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
国枝 史郎
Read さまよう町のさまよう家のさまよう人々 (さまようまちのさまよういえのさまようひとびと) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 37,916 characters · 75 screens
だから役人連中も続々入幇して来た。尤もその頃は無頼漢の入幇は許さなかった。所が咸同年間になって青幇は非常に貧乏になり生計が苦しくなったから、幇人はこの幇勢を以て自然悪い方向へ向けるに至ったが、已に入幇している役人は脱幇するどころか、それとぐるになって、色々悪事を働くようになった。一体、支那の役人は上下を通じ自分の懐を肥やす事にのみ腐心し、儲けることなら少し位の悪事は何とも思っていないから、幇匪と通じて財物を掠めたのも寧ろ当り前の話であろう。
清末某省某州附近の十余県には幇匪の出没最も劇しく中にも某県の十八段という地方四五里四方は全く匪の棲家となり、一万以上の匪がここを根城として地方へ出稼したもので、子供も女もすべて幇匪となってしまった。その頭目は顧三五子と言ってその部下の主なる者二三千人は各村各荘各郷里に分在してその配備厳密を極めた。そして各所には数十或は数百の匪が固まって居住し住居の四周には、厚さ五六尺高さ二丈余の土城を築き、四方四個所の門の上には楼を建て幇を置いて絶えず見張人が番をしている。男女の各匪は暇の時は百姓や紡績などしているが、一度命令一下すれば直に匪となる。