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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Read ガラマサどん by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 99,079 characters · 202 screens
王質は斧を置いて勝負を見物し始めた。あの絵は然うだろう?」
「はあ」
「すると一人の童子が王質に棗の実をくれた。それを食べたら、もう腹がへらない。いつまでも見物している。その中に童子が『何故帰らんか?』と言ったから、立って斧を取って見ると、柄が朽っていた。爛は朽ちるの意味、柯は斧の柄のことだ。つまり斧の柄が朽ってしまうまで見物していたんだね。村へ帰ったら、何百年もたっていて、昔の人は誰も生きていなかったという」
「成程。承わって見れば、意味深長な故事でございますな」
「以来碁に耽ることを爛柯と称する」
「お蔭さまで好い学問を致しました」
「ヘボ碁は打たないことだよ」
「はあ」
「万年筆が朽ってしまう」
「これは利きました」
「ハッハヽヽ」
「将棋は如何でございましょうか?」
「お生憎さまだ。将棋の方には故事がない」
「御都合が宜しゅうございますな」
「勝負事には関係ないが、日本にもこれに似た伝説があるだろう?」
「さあ。浦島太郎でございますか?」
「頭が好いぞ」
と社長は然う不機嫌でもないようだったから、私は安心して、
「西洋にもございますよ」
と口を出した。
「ふうむ」
「リップ・※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ン・ウインクルって奴です」