Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Read スウィス日記 (スウィスにっき) by 辻村 伊助 (つじむらいすけ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 216,275 characters · 410 screens
であった。トゥーンの街の灯はずっと左に望まれる、そして更らに更らに遠くぼーっとうす赤くにじんでいるのは、首府ベルンの灯火であった。夜は寂として物の音も響かぬ、而し私にはこのまわりに集まった三山が、ひそひそ耳こすりでもしているように思われてならなかった、ヨッホの雪の上に半時間ばかり立ってたら、ウィスキーの元気もなくなって、ぶるぶる胴振いが止まない、室に帰ると、山ゥ人達がしゃべってるしゃべってる、何しろ箆棒な胴間声で、初めの中はユンクフラウと喧嘩でもしているのかと思った、が、彼等は一揆の下相談でもなんでもない、いずこの山天狗にもありがちな、誠嘘とりまぜた自慢話をやってるんだ。腰かけの下には電気炉がある、空気は乾燥しているし、リョウマチスには持って来いの療養所である。
リキュールをひっかけて、また山人の仲間入りをした。十時過ぎに此の連中は、私達のガイドを残して、みんな下りてしまった。彼等はクライネ・シャイデックから遊びに来たんだそうな。話もいい加減にきりあげて寝室に行く、私達二人とガイドの一人で一室を占領した、東の窓に白いカーティンがかかってると思ったが、気がつくとそれは小屋を埋めた積雪であった、室は少し暑すぎる位で、何だか落ちついて眠れない、明日の出発は午前八時である、夏ならば雪が柔かいので、午後氷河の上を