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いちえんぼんりゅうこうのがいどくとそのりめんだん
一円本流行の害毒と其裏面談
宮武 外骨
Read 一円本流行の害毒と其裏面談 (いちえんぼんりゅうこうのがいどくとそのりめんだん) by 宮武 外骨 (みやたけがいこつ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 21,916 characters · 44 screens
残本を買取ったゾッキ屋主人の後悔談
のを口実にしてそのゾッキ屋が当方へ無断で揃物だけを安売したのであります」と弁解したそうであるから、著者は其のゾッキ屋の主人に逢い、無断で売ったのか否かを糺して見ると、其主人は「抵当に取ったのではありません、初めから買切です」と明確に答えた、いずれが真であるにしても、出版屋の窮状は此一事ででも察し得られるであろうが、不思議なのは、其出版屋某が、倒れもせず今に継続して居る事である、其後ドコからか金主を見付け出したのか、又はウマク遣繰して、平凡ながらも余命を繋いで居るのであろう
さて完成後は安売りする事になっていても、何処のゾッキ屋も買わないであろうから、如何に処分するかが問題である
残本を買取ったゾッキ屋主人の後悔談
著者が親しく聴き取ったのは、外神田佐久間町辺の何某というゾッキ屋と、内神田表神保町の何々社というゾッキ屋との二軒である
先ず甲の主人は語った所を略記する
「去る三月、円本のゾッキを扱う皮切り、前例が無いのだから儲かるに違いないと云う予算で、一円五十銭の上製本を一冊四十銭の割で買い、一円本を二十銭の割で買いました、総高が三万円です、トコロが案外、サッパリ売れませぬ、最初は四十銭のを六十銭、二十銭のを三十銭の卸売ということにした