Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
Read 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) by Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 162,047 characters · 322 screens
二十一 密会と拷問と拘引
僕が不安、気がかりなのは、八月九日のことですよ。いったい、何者が、何事を企んでいるのですか。八月九日に、僕がこんど殺されたとしたら、その結果は、どういうことになるのですか」
はじめのフン然たる勢いに似もやらず、語りすすむうちに、語気衰え、不安と恐怖のために、自然と顔がゆがんでいる。
巨勢博士が、時計を見て、立ち上った。
「時間がきましたから、僕は失礼します。八月九日までには、必ず帰るつもりですが、皆さん、お大切に。なんしろ、もう、神山さんの大推理にウットリしちゃって、すっかり時間がおくれちゃって」
と、挨拶もそこそこに、慌てふためいて、とびだして行った。
二十一 密会と拷問と拘引
その朝食後、鉱泉宿へでかけてみると、宿の亭主が気味悪そうに、
「又、昨日は大変なことで」
「やア、知っていますか」
「昨日は警察の方が二度もここへ見えられまして」
「やれやれ」
きいてみると、一度はカングリ警部の一行で、あと来た男は六尺ぢかい草相撲の横綱みたいな男だというから、これは神山東洋である。彼はハナレの窓から渓流へでて、時計で時間をはかりながら、歩き去ったということであるが、実は、この朝も、巨勢博士が慌てふためいて立ち去ると、彼も亦、追っかけるように出かけて行ったが、これはN町で、木ベエのアリバイを調べに行ったに相違ない。