Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
Read 中世の文学伝統 (ちゅうせいのぶんがくでんとう) by 風巻 景次郎 (かざまきけいじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 115,977 characters · 230 screens
私どもは当時能楽や茶道や香道や、そして民間芸能の様々な分野で、和歌が神聖なものとして扱われているのを知っている。それはいわば創作のため、己が抒情のための形式ではなくて、政治上には微力となったがなお神代からの神秘な尊さの背光をいただいている宮廷貴紳の、伝統永き文化のシンボルの如きものとなっていたのだ。それは文学としてでなく、宗教的な意味を以て民間に感じられておったといってよい。民間から出てその歌の道統を継承する位地に立った人として、宗祇の得意は思うべしである。こんな関係だから、連歌の方で第一の大家宗祇も、歌はあまり面白くないのである。
しかし一度伝統が民間に下ったとなると、公家の方でも焦り出したらしい。三条西実隆は、宗祇から古今伝授を受けて、二条派の当流となり、公条、実枝とつたえて細川幽斎に伝え、その後江戸時代になってからも長く皇族・公家の間に伝授が行われたのである。
民間では宗祇の門人牡丹花肖柏に伝えたのが堺伝授、肖柏から林宗二に伝えたのが奈良伝授、当時奈良は旧都、堺は外国文化を京阪に移入する唯一の貿易港自由都市として発達しはじめておったのであって、室町末期の文化はこの両地に多く保存されたし、また堺は新文化発生の地ともなった。