Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

がんりゅうじま

仇討二十一話

直木 三十五

Read 仇討二十一話 (がんりゅうじま) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,854 characters · 35 screens

Aozora Bunko

さらさらと書流す一通の手紙、金七という己が宿元へ。

「敵が判ったから今討取るつもり」

後の事色々と頼んで使を出してから身拵え。用意の短刀を懐に、歌浦を呼んで立たせてから斬りつけたのである。

四

奈良へ行くと猿沢の池の次が、十三鐘(しょう)、所謂(いわゆる)「石子詰(いしこづめ)」の有ったと云われている所であるが、一時間名所を廻って一円の車屋や、名所一廻り三十銭の案内人が、

「鹿を殺した罪で憐れや十三の子供が一丈二尺の穴へ埋められ、生ながらの石子詰」

と、出鱈目の説明をする。

瀬川の父、大森右膳が奈良の産。京都で富小路家(とみのこうじけ)に侍奉公(さむらいぼうこう)していたが、故(ゆえ)あって故郷に帰り、大森通仙と名を更えて、怪しげな医師になっていた。

この「故あって」、実は富小路家の女中と不義を働き、手をとって戻ってきたのであるが、多分いい女であったにちがいない。瀬川こと本名たかは、この二人の間へ生れた子であった。

「不義は御家の御法度(ごはっと)」で、危いと首にかかわるし、第一若い男と奥女中との間、余程取締りの厳重であるべき筈だのに、出来たのだから通仙もいい男にちがいない。