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はいじんぶそん
俳人蕪村
正岡 子規
Read 俳人蕪村 (はいじんぶそん) by 正岡 子規 (まさおかしき) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 26,831 characters · 54 screens
文法
心太さかしまに銀河三千尺
炭団法師火桶の穴より覗ひけり
のごとく置きたるは古来例に乏しからず。終六言を三三調に用いたるは蕪村の創意にやあらん。その例、
嵯峨へ帰る人はいづこの花に暮れし
一行の雁や端山に月を印す
朝顔や手拭の端の藍をかこつ
水かれ/″\蓼かあらぬか蕎麦か否か
柳散り清水涸れ石ところ/″\
我をいとふ隣家寒夜に鍋をならす
霜百里舟中に我月を領す
そのほか調子のいたく異なりたるものあり。
梅遠近南すべく北すべく
閑古鳥寺見ゆ麦林寺とやいふ
山人は人なり閑古鳥は鳥なりけり
更衣母なん藤原氏なりけり
最も奇なるは
をちこちをちこちと打つ砧かな
の句の字は十六にして調子は五七五調に吟じ得べきがごとき。
文法
漢語、俗語、雅語のことは前にも言えり。その他動詞、助動詞、形容詞にも蕪村ならでは用いざる語あり。
鮓を圧す石上に詩を題すべく
緑子の頭巾眉深きいとほしみ
大矢数弓師親子も参りたる
時鳥歌よむ遊女聞ゆなる
麻刈れと夕日此頃斜なる
「たり」「なり」と言わずして「たる」「なる」と言うがごとき、「べし」と言わずして「べく」と言うがごとき、「いとほし」と言わずして「いとほしみ」と言うがごとき、蕪村の故意に用いたるものとおぼし。