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はいじんぶそん
俳人蕪村
正岡 子規
Read 俳人蕪村 (はいじんぶそん) by 正岡 子規 (まさおかしき) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 26,831 characters · 54 screens
五月雨の大井越えたるかしこさよ
五月雨や大河を前に家二軒
五月雨の堀たのもしき砦かな
夕立の句は芭蕉になし。蕪村にも二、三句あるのみなれども、雄壮当るべからざるの勢いあり。
夕立や門脇殿の人だまり
夕立や草葉をつかむむら雀
双林寺独吟千句
夕立や筆も乾かず一千言
時鳥の句は芭蕉に多かれど、雄壮なるは
時鳥声横ふや水の上 芭蕉
の一句あるのみ。蕪村の句のうちには
時鳥柩をつかむ雲間より
時鳥平安城をすぢかひに
鞘ばしる友切丸や時鳥
など極端にものしたるものあり。
桜の句は蕪村よりも芭蕉に多し。しかも桜のうつくしき趣を詠み出でたるは
四方より花吹き入れて鳰の海 芭蕉
木のもとに汁も鱠も桜かな 同
しばらくは花の上なる月夜かな 同
奈良七重七堂伽藍八重桜 同
のごときに過ぎず。蕪村に至りては
阿古久曽のさしぬき振ふ落花かな
花に舞はで帰るさ憎し白拍子
花の幕兼好を覗く女あり
のごとき妖艶を極めたるものあり。そのほか春月、春水、暮春などいえる春の題を艶なる方に詠み出でたるは蕪村なり。例えば
伽羅くさき人の仮寝や朧月
女倶して内裏拝まん朧月
薬盗む女やはある朧月
河内路や東風吹き送る巫が袖
片町にさらさ染るや春の風