Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

びぜんめいきゅうでん

備前名弓伝

山本 周五郎

Read 備前名弓伝 (びぜんめいきゅうでん) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 24,649 characters · 50 screens

Aozora Bunko

「恐れながら青地三之丞と存じまするが、如何思召しましょうや」「青地……三之丞か」「御意にございます」光政はちょっと呻った。

「大切の場合じゃ、三之丞のほかに誰ぞないか、横川はどうじゃ」「恐れながら三之丞然るべしと存じまする」重ねてそう云われた光政は、日頃の三之丞の腕前を知っているから不安ではあったが、「ではすぐ呼び出せ」と命じた。

席を捜したが三之丞がいない、すぐに詰所を見にやると、非番に当っているというので先刻もう下城したという、慌てて使番が馬を飛ばして迎えにいった。三之丞は出てきたが急の迎えと聞いて訝しそうに、

「今日は非番の筈だが、なにか御急用でもございますか」「なにかではない、安芸侯持参の狼、犬追い物で仕止めるということは御承知であろう」「あああのお慰みが、どうしました、誰が射止めましたか」「射止めておれば迎えにはまいらん、赤川、要、森脇三人が三人とも仕損じてお上は面目を失っておいでなさる、貴公に四番を射よという仰せだからすぐ登城されい」「拙者に、……あの狼を拙者に、……」三之丞はにやりと笑った。

「それは折角ながら御免を蒙りましょう、いや拙者は御辞退申す、お上へはかようにお伝えねがいたい。