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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Read 光り合ういのち (ひかりあういのち) by 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,439 characters · 263 screens
父がよくこぼしますよ。尾道には学問の話が出来る人がいないって」
私はいつかの美しい祝詞のことを思い出した。
「君はどこの学校ですか」
「僕はこの土地の商業学校を出ました。兄は東京の国学院大学に行っていますがね。僕は後とりじゃないし、正直なところ神主にはなりたくないからね」
彼は自分がここのお宮の子であることに、自負を持っていないらしかった。
鈴子は心持ち顔を赤らめているようであった。何か言いたそうにして止めた。
「君はどこへ来てるんです?」
「十四日町の倉田という家です」
「はあ、倉田さんですか、あの家の御主人はうちの氏子総代でよく見えますよ」
「あれが僕の伯父です」
「そうですか」
と彼は非常な親しみを見せた。
それから色々と話しをした。私は同じ年頃の少年と遇えば、すぐに学芸を比べて見る競争心を持っていたが、この少年はその方面には興味を持ってない事が直ぐ解った。この少年はもっと実際的な方面に才があり、話のしぶりも社交的であった。兄は余計なことを言うと鈴子は思ってるらしかった。が兄は構わずに、私に隔てなくしゃべった。
「君は学問が好きらしいが僕の家に遊びに来ませんか。