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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
疑うなら、おめえその帯でためしにぶらりとやってみねえな。けっこう楽々とあの世へ行けるぜ」
「ちぇッ、そんなことをきいてるんじゃねえんですよ。首っくくりのしかたぐれえなら、あっしだっても知ってるんだ。だらりとね、もめんのきれがさがっている下に、人間の野郎が死んでいるんですよ。大の男がね、それもれっきとしたお侍なんだ。その二本ざしが、のど笛に風穴をあけられて、首のところを血まみれにしながら冷たくなっているんですよ。だからね、あっしゃどうにもその死に方が気に入らねえんだ。どうですかね、そんなバカなことってえものがありますかね」
「あるかねえか、やぶからぼうに、そんな妙なことをきいたってわからねえじゃねえか。どこでいったい、そんなものを見てきたんだ」
「どこもここもねえんですよ。きょうは八月の八日なんだ。一月は一日、二月は二日、三月は三日と、だんなもご存じのように月の並びの日ゃこの三年来、欠かさず観音様へ朝参りに行きますんでね。けさも夜中起きして白々ごろに雷門の前まで行くてえと、いきなりいうんです。もしえ、だんな、ちょいといい男ってね。こう陰にこもってやさしくいうんですよ」