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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens

Aozora Bunko

べらぼうめ、ようがす、引きうけました。牢屋で人が切り殺されるなんて途方もねえことがあってたまりますかい、うちのだんなは人一倍寝起きのわるい人なんだ、あっしが特別念入りに目ざまし太鼓をたたいてやるから、おいでなさいと、こうしていっしょに力をつけつけ――」

「うるさいよ! なにをひとりでべらべらやっているんだ。おまえなんぞに聞いていたら手間がとれらあ。じゃまっけだから、こっちへ引っこんでいな」

「いいえ、だんな、お黙り! あっしがしゃべりだしたからって、そうそう目のかたきにしなくともいいんですよ。話にはじょうずへた、物にはこつというものがあるんだ、こつがね、そのこつをよく心得ているからこそ、あっしがあちらのだんなに代わって、手間をとらせず、むだをいわず、事のあらましをかいつまんで、のみこみのいいように物語ろうってえいうんじゃねえですか。ちゃんとエンコして、おとなしく聞いていらっしゃい。いいですかい。あちらのだんなはお牢屋同心なんだ。お牢屋同心てえいや、伝馬町の囚罪人を預かっていらっしゃるやかましい役がらなんです。名は牧野源内さま、お預かりの牢は平牢の三番べや。