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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
太「お前が何も出る訳はあんめえじゃねえか、そんなら是程頼んでも勘弁は出来やせんか、己ア娘は未だ主のあるものじゃねえ、処女でごぜいやす」
かめ「だってお作さんは、幸右衞門どんの伜の圓次郎さんが養子に往く約束になって居るじゃ有りませんか」
太「約束になって居りやすが、未だ結納を取交した訳でもなく、唯ほんの口約束だけの事で、婚礼をした訳ではがんせんから、どういう事があっても間男と云う訳はあんめえ、又男の働きで一人や二人の女も出来ねえとも云われねえ、それ処じゃない、立派な亭主持の身で有りながら悪いことをするものが世間にはいけいこと有りやす、一昨日店で盆の余り勘定をしていると、彼処では酒も売り肴もあるもんだから、若いお侍が腰掛けて一杯やっていた、其の人の年頃はそうさ廿二三で、ちょうど其処に入らっしゃる丹三郎様ぐれえの年恰好で、貴方に能く肖ているお方サ、すると女の艶書の伝を児守子に頼んで手紙を其のお侍に渡すと、お侍が惚れた女からよこした手紙だから飛立つように喜んで、其の文を開いて読んでしまい、丸めて袂へ入れた積りで出て往った跡を見ると、其の手紙が落ちて居たが、これは済まねえ訳だと思うが、此の文の文面で見ると、去年のマア八九月あたりから悪い